業界ニュース

4

 国土交通省は20日、経済産業省、環境省と合同で進める「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」(座長:田辺新一早稲田大学創造理工学部建築学科教授)の5回目の会合を開催。とりまとめ案を発表した。

 とりまとめ案では、住宅・建築物の省エネの目指すべき姿を明確にした。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、関連する技術開発の進展等と合わせ、省エネ対策を徹底。ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能を有するストックの蓄積を図る。その実現に向け、30年における新築の住宅・建築物は平均でZEH・ZEBの実現を目指すことを明記した。30年度以降に新築される住宅については、ZEHの強化外皮基準に適合させるとともに、再生可能エネルギーを考慮しない設計一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準値から20%削減するとした。

 新築住宅の省エネ対策の強化を段階的に推進。22年度に補助制度における省エネ基準適合要件化、ZEH等や省エネ改修に対する支援の継続・充実、中小事業者の断熱施工の実地訓練を含めた技術力向上の取り組みを実施。23年度より、フラット35における省エネ基準適合要件化、建築物省エネ法に基づく誘導基準等の引き上げ、分譲マンションに係る住宅トップランナー基準の設定(BEI=0.9・省エネ基準の外皮基準)を進める。

 24年度には新築住宅の販売・賃貸時における省エネ性能表示の施行、既存住宅の省エネ性能表示の試行を実施。25年度には住宅の省エネ基準への適合義務化、住宅トップランナー基準の見直し(注文戸建住宅BEI=0.75、それ以外BEI=0.8、いずれも強化外皮基準)を実施。併せて誘導基準等の引き上げも行なう。これらにより、省エネ量を新築で253万kL、改修で91万kLを目指す。

 再エネ・未利用エネルギーの利用拡大に向けては、太陽光発電設備について、50年において住宅・建築物には設置されていることが一般的となることを目指し、設置を促進するとしたほか、太陽熱・地中熱の利用、バイオマスの活用などにも言及した。

 委員からは「50年のカーボンニュートラル実現は非常に高い目標数値であることから、この省エネ対策のスケジュールや数値目標では、かなり低い設定になる。今回のとりまとめでは、実現可能な範囲にとどめるのか、高い目標を目指すのか、明確にすべき」「世界の住宅性能と比較すればZEHの水準でも高いとは言えない。さらにその上の基準を目指すこと、そしてその内容についても明確に示すべき」「省エネだけの取り組みだけでいいのか。再エネ・創エネについての取り組み、中でも太陽光発電設置については、明確化すべきではないか」など、厳しい意見が多く挙がった。
 国土交通省は6日、2050年カーボンニュートラル、グリーン社会の実現に向けた同省の重点プロジェクト「国土交通グリーンチャレンジ」をとりまとめた。

 社会資本整備審議会・交通政策審議会の環境部会と技術部会に横断的に設置された「グリーン社会WG」での調査審議の成果を踏まえ、30年度までの10年間に重点的かつ戦略的に取り組むプロジェクトをまとめた。国内のCO2排出量の約5割を占める運輸、家庭・業務部門の脱炭素化等に向けた地球温暖化緩和策、気候変動対策に関する施策・プロジェクトを、産官学の連携や地域連携、国民や企業の行動変容促進、デジタル活用、グリーンファイナンス活用、国際貢献などの視点で、分野横断的な6つのプロジェクトに落とし込んだ。

 具体的には(1)省エネ・再エネ拡大等につながる強靭なくらしとまちづくり、(2)グリーンインフラを活用した自然共生地域づくり、(3)自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築、(4)デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開、(5)港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現・グリーン化の推進、(6)インフラのライフサイクル全体でのカーボンニュートラル、循環型社会の実現、の6項目。

 不動産関連では、(1)においてLCCM住宅やZEH・ZEBの普及促進、省エネ改修や省エネ性能認定の充実、規制等の対策強化、木造建築物の普及拡大を盛り込んだほか、(2)においてもレジリエンス機能の強化に資するため、電気自動車から住宅への電力供給システム普及にも言及している。
 国税庁は1日、令和3(2021)年分の路線価を発表した。

 標準宅地の評価基準額の対前年変動率は、全国平均で0.5%下落(前年:1.6%上昇)と6年ぶりに下落した。

 都道府県別では、上昇率が10%以上、5~10%未満となった都道府県がなくなり(いずれも前年は1都道府県)、上昇率5%未満の都道府県も7都道府県(前年:19都道府県)と大きく減った。変動なしの都道府県は山形県のみ(同:なし)、下落率が5%未満が39都道府県(同:26都道府県)と大きく増加した。

 都道府県庁所在都市の最高路線価1位は東京都中央区銀座5丁目・銀座中央通りで、1平方メートル当たり4,272万円(前年比7.0%下落)となったが、36年連続のトップとなった。2位は大阪市北区角田町・御堂筋で同1,976万円(同8.5%下落)、3位は横浜市西区南幸1丁目・横浜駅西口バスターミナル前通りで、同1,608万円(同3.1%上昇)。トップ3の順位は変わらず。上位10都市のうち、上昇は5都市にとどまった。

 最も上昇率が大きかったのは、仙台市青葉区中央1丁目・青葉通りで、3.8%上昇(前年:9.7%上昇)。以下、千葉市中央区富士見2丁目・千葉駅前大通りの3.5%上昇(同:9.6%上昇)、宇都宮市宮みらい・宇都宮駅東口駅前ロータリーの3.4%上昇(同:13.7%上昇)と続いた。

 都道府県庁所在都市の最高路線価は、上昇が8都市(同:38都市)、横ばいが17都市(同:8都市)、下落が22都市(同:1都市)。上昇率5%を超える都市がなくなり(同:19都市)、上昇率5%未満の都市も8都市(同:17)と減少した。
 国土交通省は6月30日、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」(以下、基本方針)と「特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」(以下、ガイドライン)を改正、公開した。法律施行後の取り組み状況と地方公共団体からの要望を踏まえ、空き家対策をさらに強力に推進するための措置。

 基本方針では、特定空家等の対象には「将来著しく保安上危険又は著しく衛生上有害な状態になることが予見される」空家等も含まれる旨を記載。ガイドラインには、その考え方の例を記載した。所有者等の所在を特定できない場合等については、「民法上の財産管理制度を活用するために、市町村長が不在者財産管理人又は相続財産管理人の選任の申立てを行なうことが考えられる」とした。また、地域の空家等対策に取り組むNPO等の団体について協議会の構成員の例に追加。専門的な相談について連携して対応することも記載した。

 ガイドラインでは、空家等の所有者等の特定に係る調査手法、国外居住者の調査方法及び所有者等を特定できない場合の措置や、災害が発生、災害が発生しようとしている場合は災害対策基本法に基づく措置も考えられる旨を記載した。また、外見上はいわゆる長屋等であっても、それぞれの住戸が別個の建築物である場合には、空家法の対象となるとした。