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 9日、二地域居住等の普及促進や機運向上を目的とした「全国二地域居住等促進協議会」の設立総会がWEB方式で開催された。

 開会の挨拶を行なった赤羽一嘉国土交通大臣は、「コロナ禍によりテレワーク、ワーケーションなど働き方が変わり、住まい方にも変化が表れ始めている。二地域居住が推進されれば、地方創生を進める好機にもなる。国交省として協議会活動に協力しながら、二地域居住推進へ支援をおこなっていきたい」と述べた。

 協議会は、地方公共団体の「正会員」、関係団体、民間事業者等の「協力会員」、学識経験者等の「顧問」で構成。また協力省庁として国土交通省、内閣官房・内閣府、総務省、農林水産省が決定。協議会事務局は、国土交通省国土政策局地方振興課が担当する。
 先般参加団体等を募ったところ、2月15日時点で、正会員601団体、協力会員29団体の申し込みを受け付けた。総会では、設立趣旨、規約について賛成多数で決議され、会長は長野県、副会長は和歌山県田辺市、栃木県那須町に決定した。

 会長として挨拶を行なった長野県知事の阿部守一氏は、「国や自治体と力を合わせて、また国交省とも連携しながら、二地域居住を推進していきたい」と語った。

 初年度となる2021年度は、専用ウェブサイトで情報発信・拡充、国の施策、検討調査等との連携、提案などに取り組む計画。

 総会終了後には設立記念シンポジウムがWEB配信方式で開催され、筑波大学システム情報系教授の谷口 守氏が「二地域居住のこれまでとこれから-Beyondコロナ社会に向けて-」をテーマにした基調講演を行なったほか、二地域居住に向けた施策の紹介、二地域居住に関するリレートークなどが行なわれた。
 国土交通省は8日、国土審議会計画推進部会国土の長期展望専門委員会(委員長:増田寛也東京大学公共政策大学院客員教授)の13回目となる会合を開催。「分散型の国土構造」や「地域生活圏」の策定等について発表した。

 事務局が大都市と地方の双方の強みを生かした「分散型の国土構造」の考え方を解説。「全国」「広域ブロック」「地域生活圏」「生活エリア」に分け、それぞれに必要な機能や役割を示した。

 中でも「地域生活圏」の維持・強化が重要であると指摘。「地域生活圏」は、日常生活の基盤(通勤・通学圏)、日常の都市的機能を担い、救命救急を担う医療機関や高等教育機関、地域金融機関、衣食住にまつわる総合的な買い物サービスの機能を有する人口10万人程度の圏域と定義。同生活圏においては、「デジタル化の推進」「リアルの充実」「デジタルとリアルの融合」による住民の利便性向上などがポイントになるとした。

 「デジタル化の推進」では、行政・民間等の各種手続きのデジタル化や、オンライン診療・教育等の環境整備等を提案。「リアルの充実」では、「コンパクト+ネットワーク」による効率的な地域づくりや地域分散型エネルギーシステを構築をする必要があるとした。「デジタルとリアルの融合」のイメージとしては、ビッグデータを活用した個々人に対するきめ細やかな生活関連サービスの提供等を挙げた。

 委員からは、「人口10万人の圏域で、提供する公共サービスの財政を担えるのか」「デジタル化を推進するに当たっては個々人のリテラシーを高めることも重要となる」などの意見が上がった。
 国土交通省は26日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長:中井検裕氏(東京工業大学環境・社会理工学院長))の55回目となる会合をウェブ形式で開催。パブリックコメントと都道府県意見聴取結果を踏まえた住生活基本計画(全国計画)の見直し案を示し、委員一同からの承認を得た。

 見直し案では、計画の目標である「新たな日常やDXの進展等に対応した住まい方の実現」「頻発・激甚化する災害新ステージにおける安全な住宅・住宅地の形成と被災者の住まいの確保」「子供を育てやすい住まいの実現」等を中心に追記が行なわれた。

 これらに関連して、施策の達成度合いを測る「成果指標」も、新たに「DX推進計画を策定し、実行した大手住宅事業者の割合(0%(2021年)→100%(26年))」「地域防災計画に基づき、ハード・ソフト合わせて住まいの出水対策に取り組む市区町村の割合(5割(26年))」「民間賃貸住宅のうち、一定の断熱性能を有し遮音対策が講じられた住宅の割合(約1割(18年)→2割(31年)」が加わり16項目となった。また、従前の「建替え等が行われる公的賃貸住宅団地(100戸以上)における地域拠点施設併設率」は建て替えからストック全体を対象とし、「29%(19年)→おおむね4割(31年)」に目標を変更した。

 計画案は同審議会への報告ののち、3月中旬の閣議決定を目指す。会合で挨拶した中井分科会長は「計画を見直してきた2019年から20年にかけては、新型コロナウイルス感染症の拡大や災害の頻発など、まさに住まいを取り巻く環境におけるリスクが顕在化した。これらを踏まえた計画案は時宣を得たものと評価されるはず。意欲的な成果指標も盛り込まれているので、国土交通省にはこれらの施策をしっかりと実行してほしい」などと語った。 
 (一財)日本不動産研究所は22日、2020年12月の「不動研住宅価格指数」(既存マンション)を公表した。

 00年1月を100とした場合の指数は、首都圏総合が95.70ポイント(前月比0.53%上昇)と、6ヵ月連続で上昇した。前年同月比でも3.07%の上昇。

 地域別では、東京都が106.44ポイント(同0.14%上昇)と8ヵ月連続の上昇。神奈川県は87.59ポイント(同1.41%上昇)と3ヵ月連続で上昇した。千葉県は74.06ポイント(同2.46%上昇)と6ヵ月連続で上昇したが、埼玉県は76.12ポイント(同0.77%下降)と下落した。
 24日に「所有者不明土地等対策の推進ための関係閣僚会議」が開かれ、所有者不明土地等対策の新たな工程表が決定した。

 「所有者不明土地等対策の推進ための関係閣僚会議」は、2018年の設置。所有者不明土地等に係る諸課題について、関係行政機関の連携の下で政府一体となり総合的な対策を推進している。

 決定された工程表では、20年3月に公布・施行された改正土地基本法や、民事基本法制の見直しの内容を踏まえ、所有者不明土地特措法施行3年経過の見直し向けた検討を行ない、21年12月ごろにとりまとめ、22年に必要な制度見直しを実施予定。検討事項は、所有者不明土地の円滑な利活用を図るための仕組みの拡充や、管理不全土地の適正管理を図るための仕組みなど。

 また20年5月に策定された土地基本方針の改定については、21年5月ごろに見直しをすることとしている。
 国土交通省は4日、国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕氏(東京工業大学環境・社会理工学院長))の39回目となる会合を開催。土地基本方針に基づく土地政策見直しに当たって、管理不全土地対策に係る自治体の取り組み等についての調査結果や「全国版空き家・空き地バンク」の活用実績、空家等対策特別措置法に基づく国や自治体の取り組みの現状について、情報を共有した。

 管理不全土地対策に関する調査は、2019年9~10月、全国1,741自治体を対象に実施。1,029自治体から回答を得た。

 回答した自治体のうち、空地の管理や利用促進について取り組んでいる自治体は57.2%(589)と6割弱。その施策は「条例等の制定」(36.1%)、「行政指導」(26.4%)、管理の支援(業者の斡旋、用具貸し出し、助成等)」(18.5%)など。条例が「ある」と回答したのは34.7%。このうち、「行政指導・助言」の規定は76.7%の適用実績があったが「勧告」「代執行」「公表」「罰則」といった項目の適用実績は2割に満たなかった。

 代執行を規定していない自治体や、規定しているのに実績がない自治体に理由を聞いたところ、「土地所有者が対応すべき」「法的根拠がない(行政代執行法はあるが空き地への対応に特化した個別法がない)」「対象土地の線引きが困難」が同様に指摘された。調査した自治体からは管理不全土地の取り扱いに係る全国標準のガイドラインの整備を求める声や、空き地については固定資産税課税情報の内部利用ができないため、所有者の把握調査に時間がかかるといった声があがっていた。

 「全国版空き家・空き地バンク」の20年12月末現在の参加自治体数は775で、運用開始直後の17年1月から1.8倍に増加。物件掲載件数も約1万1,000件と4.7倍に増えた。20年10月末までに約6,000件がサイトを通じて成約した(自治体アンケート)。一方で、空き家バンクを構築するための費用や人員が不足している事や制度要綱等の策定等の知識がないことなどの負担から未設置の自治体も多い(全国の約3割)ことから、空き家バンクの標準的な制度要綱やガイドラインの作成などの支援が必要とした。また、コロナ禍における空き家の有効活用の取り組み事例を収集し、空き家・空き地バンクへ掲載することで、空き家の有効活用の横展開を図ることも課題とした。
 国土交通省は29日、2020年通年および20年12月の建築着工統計を公表した。

 同年の新設住宅着工戸数は81万5,340戸(前年比9.9%減)と、4年連続で減少した。新設住宅着工床面積は6,645万4,000平方メートル(同11.2%減)で、こちらも4年連続の減少だった。

 利用関係別では、持家が26万1,088戸(同9.6%減)と再び減少に転じた。貸家は30万6,753戸(同10.4%減)で3年連続の減少。分譲住宅は24万268戸(同10.2%減)で6年ぶりに減少した。このうちマンションは10万7,884戸(同8.4%減)で反転減少、一戸建住宅は13万753戸(同11.4%減)で5年ぶりに減少した。

 三大都市圏の圏域別では、首都圏が総数28万3,460戸(同8.2%減)。内訳は持家5万4,629戸(同6.4%減)、貸家11万7,873戸(同5.2%減)、分譲住宅10万9,240戸(同12.1%減)。中部圏は総数9万5,477戸(同13.8%減)、持家3万9,096戸(同10.4%減)、貸家2万8,891戸(同18.5%減)、分譲2万6,129戸(同15.6%減)。近畿圏は総数12万9,957戸(同5.7%減)、持家3万3,331戸(同10.2%減)、貸家4万8,503戸(同6.6%減)、分譲4万6,860戸(同1.9%減)。

 12月単月の新設住宅着工戸数は6万5,643戸(前年同月比9.0%減)と、18ヵ月連続で減少した。新設住宅着工床面積は538万5,000平方メートル(同7.9%減)で、17ヵ月連続の減少。季節調整済年率換算値は78万4,000戸(前月比4.2%減)となり、3ヵ月ぶりに減少した。

 利用関係別では、持家が2万2,819戸(前年同月比2.4%増)で2ヵ月連続の増加。貸家は2万4,423戸(同11.5%減)と、28ヵ月連続の減少。分譲住宅は1万7,622戸(同18.4%減)と、14ヵ月連続で減少した。このうち、マンションは6,149戸(同31.3%減)、一戸建住宅は1万1,315戸(同8.9%減)。

 三大都市圏別では、首都圏が総数2万1,145戸(同9.7%減)、中部圏が総数7,848戸(同9.9%減)、近畿圏が1万453戸(同13.2%減)となった。
 国土交通省は29日、「企業等の東京一極集中に関する懇談会」(座長:増田寛也東京大学公共政策大学院客員教授)のとりまとめを公表した。

 同懇談会は2019年12月に発足。20年12月までに5回の会合を実施。新型コロナウイルス感染症拡大による影響や諸外国との比較等も踏まえ、企業活動や働き方など多角的な観点から東京一極集中に要因と、是正に向けた取り組みの方向性を検討してきた。

 とりまとめでは、東京一極集中の要因として、「大学の東京への偏在」「企業本社の東京への集中」「賃金の高さ」といった事象に加え、日常生活の不便さなどによって「地元を離れたかった」人の流入があると分析。また、終身雇用や職務・地域を限定した採用の少なさもあり、東京を離れにくい環境も要因の一つだとしている。また、諸機能の過度な集積による災害発生時のリスク増大など、東京一極集中のリスクを認識している人が少ないとも指摘した。

 その上で、居住地を問わない採用や単身赴任の廃止などといった人事制度の見直しなど、テレワークによる「職場と仕事の分離」を促進する取り組みや、コロナ禍による地方居住への関心の高まりなどが一極集中を緩和する可能性もあるとした。また、東京に住む中間層の可処分所得と基礎支出の差額は都道府県別で42位、費用換算した通勤時間を考慮すると47位になるなど、他地域に比べて経済的に豊かとはいえない実態も明らかにした。

 これらの現状認識・分析を踏まえ、今後の取り組みの方向性として、「テレワークの普及」「地方で学び・働くことができる環境の整備」「働き方・暮らし方における都市と地方のベストミックスの実現」「ライフステージに応じた地方移住も選択可能となるような環境整備」などを挙げた。
 社会資本整備審議会住宅宅地分科会と同審議会建築分科会との共管による「既存住宅流通市場活性化のための優良な住宅ストックの形成及び消費者保護の充実に関する小委員会」(委員長:深尾精一氏(首都大学東京名誉教授))は28日、3回目の会合をオンラインで開催。長期優良住宅制度、住宅性能表示制度、住宅瑕疵担保履行制度の改善方策等について、パブリックコメントによる意見募集の結果を踏まえたとりまとめを行ない、両分科会へ報告した。

 とりまとめでは、良質な住宅ストックの形成に向けた長期優良住宅制度の見直しについて、分譲マンションの長期優良住宅認定については住宅の維持保全を行なう管理組合が住棟単位で認定を受けることができるようにすべきとし、耐震性等の認定基準の合理化や、賃貸共同住宅の認定を増やすための基準の設定を検討すべきとした。
 既存住宅については、一定の性能を有するものについては、増改築を行なわず維持保全計画のみでも認定が取得できる制度を創設すべきとしたほか、流通時に住宅取得者が受けられるインセンティブを検討すべきとした。住宅性能評価と長期使用構造等の確認の一体審査や、土砂災害特別警戒区域など災害の危険性が特に高いエリアでは長期優良住宅認定を原則として認めない等も盛り込んだ。

 既存住宅の円滑な取引環境の整備については、標章付与件数が伸び悩む「安心R住宅」制度について、消費者および事業者への周知と併せ、既存住宅の個人間取引の商流になじみやすい制度への改善、利用者へのインセンティブについて検討し、さらなる普及を図るべきとした。2号保険(既存住宅売買瑕疵保険、リフォーム瑕疵保険など)の活用を広めるための検査方法の多様化や住宅履歴情報の活用、既存住宅状況調査との連携強化や、既存住宅状況調査、瑕疵保険の現場検査、フラット35物件検査など既存住宅に係る検査の効率化・合理化等も盛り込んだ。

 また、住宅紛争処理制度等の消費者保護の充実について、既存住宅が住宅紛争処理の対象となっていないことから、2号保険に加入した既存住宅を住宅紛争処理の対象に追加すべきとした。

 国土交通省は同とりまとめでの提言を具体化する「住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」を今国会に提出する。会合で挨拶した住宅局長の和田信貴氏は「2月上旬の閣議決定を目指し、作業を進めている」とコメントした。
 国土交通省はこのほど、令和元年(2019年)の「全国屋上・壁面緑化施工実績調査」結果を発表した。調査対象は全国の造園建設会社、総合建設会社、屋上・壁面緑化関連資材メーカーなど539社。回答数は276社。調査は19年11月~20年1月に実施した。

 同年の屋上緑化の施工面積は約19.7haと、前年を約3.2ha(19.3%)上回った。新型コロナウイルス感染症を想定した「新しい生活様式」におけるソーシャルディスタンスを考慮して、約5万7,000人分に相当する。壁面緑化の施工面積は約7.5ha(前年比約2.5ha増)。

 屋上緑化の建物用途別施工面積割合は「工場・倉庫・車庫」(24.9%)が最も大きく、過去最高となった。次点は「商業施設」(18.1%)。

 壁面緑化の建物用途別施工面積割合は、「その他サービス・娯楽施設」(8.8%)が割合、施工面積(6,598平方メートル)とも過去最高を記録した。この区分の大部分を占めるのはホテル等の宿泊施設で、近年のインバウンド需要を見越して、外壁やエントランスなどで壁面を緑化した事例の増加がみられた。

 調査を開始した00年から20年間の累計施工面積は、屋上緑化は約537ha、壁面緑化は約103haとなった。