土地基本方針の見直しに向け、委員等から提案

 国土交通省は1日、第48回国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕東京工業大学環境・社会理工学院教授)を開催した。

 今回より土地基本方針の見直し(2024年頃予定)に向けた、委員からのプレゼンテーションや関係団体からのヒアリングを開始した。幅広い見識を共有することで、所有者不明土地等、さまざまな課題に対応した土地基本方針の策定を目指す。今回は、委員からは瀬田史彦東京大学大学院工学系研究科准教授、松尾 弘慶應義塾大学大学院法務研究科教授、吉原祥子(公財)東京財団政策研究所研究員兼研究部門主任が、関係団体として(一社)みどり福祉会、(一社)やちよ・ひと・まちサポートセンターがそれぞれの見解を示した。

 瀬田氏は、欧米の研究等を踏まえ、人口減少局面の国土利用・管理における国の役割として、利用・管理のための法・制度的基盤の整備、ローカルの利用・管理の活動支援、国土のモニタリングなどがポイントになるとした。同氏は「森林における地球温暖化対策、都市の市街地の集約など、全体から個へのブレイクダウン、バックキャスティングが必要な政策課題にどう対応するのか。そのための方法を検討する必要があると考えられる」と述べた。

 松尾氏は、現行の所有者不明土地対策や管理不全土地対策を整理した上で、課題として、所有者不明土地関連法の活用、フィードバック、制度間の整合性の検証、さらなるミッシング・リンクの補完の必要性の検討のほか、管理不全土地の適正な管理と財産権の保障との調整、低未利用地の利用促進策との連接などを挙げた。また、地域を中心とする対応を促進するためには、地域における問題関心の喚起等が必要であるとした。同氏は「所有者不明土地・管理不全土地対策等を通じて、地域づくり(地域の再構築)を行なっていくという意識が必要」と話した。

 吉原氏は、所有者不明土地法の地域福利増進事業モデル事業から見える課題について言及。所有者探索における情報請求手続きの合理化、補償金の考え方の整理や基準額の検討、「賛否不明者」に関するルールの検討等を指摘した。

 また、みどり福祉会は竹林整備を通しての地域交流、青少年育成事業を通じて見えてきた所有者不明土地や管理不全土地制度の課題、やちよ・ひと・まちサポートセンターは自治体との連携における課題等を発表。「所有者関係者の調査範囲が定まっていないこと」「公募類取得までの煩雑さ」「国や県が推進法人の指定をするプッシュ型対応の推進」「コストダウンの観点から仕組みの再検討」等を示した。