2050年を見据えた「国土形成計画」の検討を開始

 国土交通省は28日、国土審議会計画部会の1回目の会合を開催した。
 同計画部会では、6月に公表した国土の長期展望専門委員会の最終とりまとめ等を踏まえ、2050年を見据えた、新たな「国土形成計画」および「国土利用計画」を検討していく。同とりまとめでは、デジタルを前提とした国土の再構築を進め、「真の豊かさ」を実感できる国土を目指し、そのためには「ローカル」「グローバル」「ネットワーク」の3つの視点が重要であるとしていた。
 今回は、事務局が「国土形成計画」の素案を発表。今後の検討の方向性を示した。
 まずは、「土地、水その他の国土資源の利用及び保全」「震災、水害、風害その他の災害の防除及び軽減」など、8つの法定計画事項ごとの50年に達成・維持すべき「普遍的価値(目標)」を策定。普遍的価値の案として、「宅地、農地、森林などの目的に応じた機能の発揮と、放棄による悪影響の抑制が両立されていること」「東京等が世界中から人材と投資を引きつける都市であること(世界的な都市間競争に打ち勝つ)」「地方都市や中山間地域で生活サービスと所得・雇用の機会が維持・確保されていること(暮らし続けることができる)」などを挙げた。
 普遍的価値を策定後、現状はどういう状態なのか、将来の見通しはどうなのか、これまでの政策展開を振り返るとともに、今後の方向性(デジタルや科学技術の進展、カーボンニュートラルの動きを含む)を検討。普遍的価値の達成に向けた課題は何かを踏まえ、ローカル、グローバル、ネットワークの視点などから整理し、50年を見据えた国土づくりの具体的目標と目標実現の道筋を示すとした。
 委員からは「従来の物理的な観点だけでなく、サイバー(デジタル)の視点を含めて検討することが必要」「デジタル化を踏まえ、行政区ではなく地域圏の単位でまちのあり方を考えていくべき」「国民はもちろん地方自治体の理解を得られるよう、分かりやすいメッセージが求められる」「ローカル型産業の所得の水準向上と紐付ける必要がある」「テレワークを定着させることで、さまざまな社会課題の解決につなげられる」「大規模地震の発生を想定した国土のあり方を検討すべき」などの意見が挙がった。
 今後は、数回の審議を経て、22年6月に国土形成計画の中間とりまとめを発表する予定。23年の閣議決定を見込む。