東京一極集中是正へ方向性とりまとめ

 国土交通省は29日、「企業等の東京一極集中に関する懇談会」(座長:増田寛也東京大学公共政策大学院客員教授)のとりまとめを公表した。

 同懇談会は2019年12月に発足。20年12月までに5回の会合を実施。新型コロナウイルス感染症拡大による影響や諸外国との比較等も踏まえ、企業活動や働き方など多角的な観点から東京一極集中に要因と、是正に向けた取り組みの方向性を検討してきた。

 とりまとめでは、東京一極集中の要因として、「大学の東京への偏在」「企業本社の東京への集中」「賃金の高さ」といった事象に加え、日常生活の不便さなどによって「地元を離れたかった」人の流入があると分析。また、終身雇用や職務・地域を限定した採用の少なさもあり、東京を離れにくい環境も要因の一つだとしている。また、諸機能の過度な集積による災害発生時のリスク増大など、東京一極集中のリスクを認識している人が少ないとも指摘した。

 その上で、居住地を問わない採用や単身赴任の廃止などといった人事制度の見直しなど、テレワークによる「職場と仕事の分離」を促進する取り組みや、コロナ禍による地方居住への関心の高まりなどが一極集中を緩和する可能性もあるとした。また、東京に住む中間層の可処分所得と基礎支出の差額は都道府県別で42位、費用換算した通勤時間を考慮すると47位になるなど、他地域に比べて経済的に豊かとはいえない実態も明らかにした。

 これらの現状認識・分析を踏まえ、今後の取り組みの方向性として、「テレワークの普及」「地方で学び・働くことができる環境の整備」「働き方・暮らし方における都市と地方のベストミックスの実現」「ライフステージに応じた地方移住も選択可能となるような環境整備」などを挙げた。